食物繊維がたっぷり コレステロール低下 骨の代謝に良い効果 近年、クルミが注目されている。ナッツの一つとしてそのまま食べる以外は、クルミあえや、パンやケーキのアクセントなど脇役的で地味な存在だった。ところが、カルシウムや食物繊維などの栄養素をバランス良く含んでいることから、近年は健康に良い食品として需要が高まっている。クルミのつくだ煮や、ドレッシングの素材となるなど、さまざまな加工食品が発売され、食べ方もバラエティーに富んでいる。(渋沢和彦)
少なくとも紀元前7000年から食べられていたというクルミ。原産地はイランで中国を経由して日本に伝わった。現在、アメリカと中国が世界のクルミの2大生産地として知られる。
管理栄養士で料理研究家の牧野直子さんは、「クルミには、不足しがちなカルシウムや鉄分、食物繊維など、さまざまな栄養素が豊富に含まれています」と話す。「クルミは少量でもエネルギーがとれ、腹持ちするので、パックの生クルミをおやつとして食べると、忙しい人の栄養補給になりますよ」
クルミの栄養素の65%を占める脂質は、リノール酸やアルファリノレン酸などの不飽和脂肪酸をバランスよく含んでいて、血中コレステロールを下げ、心臓病や動脈硬化などを予防する働きがあるとされている。
最近では、アルファリノレン酸をはじめとするオメガ3系(n−3系)と呼ばれる脂肪酸が骨の代謝に良い効果をもたらすことが、アメリカの大学の研究チームによって立証され、にわかに注目が集まっている。
クルミはピーナツのように、おつまみとしてそのまま食べられるパックもスーパーなどで売られているため、気軽に買い求めることができる。
おつまみ用パックの「生クルミ」を15年前から販売している共立食品(東京都台東区)は、3、4年前から急激に売り上げが伸びたそうだ。同社は「おつまみとして考えたのですが、最近では健康食品として主婦が買って料理に使っているようです」という。
実際に料理として簡単に食べるにはどうしたらいいだろう。
牧野さんは、まずサラダやお浸し、炒め物などに加えたり、ヨーグルトに入れて食べることを勧める。「食物繊維が豊富なので、野菜で補いきれない分をサポートします」という。
つくだ煮メーカーの竹山食品工業(札幌市)が10年前に発売したクルミのつくだ煮。年配者が好む食品というつくだ煮のイメージを打開するために開発したものだが、やはりこの5年間で大きく伸びてきているという。同社では「独特の食感がうけ、お子さんから年配の方まで幅広く喜ばれています」と話す。
明治時代からしょうゆを作り続けているアサムラサキ(岡山県笠岡市)では、和風のクルミドレッシングを今年春から発売した。同社によると「サラダのほか、冷しゃぶにも合う」と好評で、売り上げは順調だという。
日本では長野県東御市などクルミの産地はあるものの、国内の収穫量は230トン(平成17年度)とわずかで、輸入に頼っているのが実情だ。
需要拡大に伴い、輸入量も大きく増加。近年は1万トン余りを推移していて、そのうちの9割はアメリカ・カリフォルニア産だ。カリフォルニアくるみ協会によると、1986年から輸入が開始され、輸入量は1994年に約5000トンだったが、2006年には1万トン近くまで増加した。
同協会では「世界的に需要が増えている」と話す。日本でも今後ますます人気が高まると分析している。
出典:イザ